- 侍ジャパン
2019.05.13 12:01
飽くなき向上心で強肩強打を磨き続ける 秋山拓海(熊本ゴールデンラークス)【Future Heroes vol.12】
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プレーの一つひとつから馬力を感じさせる強肩強打の高卒2年目捕手。今季から正捕手の座を奪い、11年ぶりの都市対抗出場を狙うチームを攻守で引っ張る決意だ。
★強豪で磨かれた野球センス
野球をしていた2人の兄の影響で野球は自然と始めていた。
小学6年時には千葉ロッテマリーンズジュニアに選出され、そこでも4番・捕手兼投手として主力を担った。
中学時代は、今や全国的強豪の京葉ボーイズに3期生として入団。NTT関東時代に日本代表でプレーし、NTT東日本のコーチとしては清田育宏(ロッテ)を育成するなど打撃指導に定評のある関口勝己監督のもとで持ち前の野球センスを磨いていった。
さらに3年時には「気持ちが切れやすかった僕を変えるために主将にしてもらいました」と精神面でも大きく成長。ボーイズリーグの日本代表にも選出された。
高校は埼玉の浦和学院に進学した。甲子園出場こそならなかったが正捕手として春季関東大会を優勝するなど活躍。
1学年上で育成選手から這い上がりオリックスの先発ローテーションの一角を担う榊原翼の存在は「榊原さんの目標を見つけてからの取り組みの変わり方は凄かったです」と大きな刺激となっている。
★プロ入り狙うも「まずはチーム」
社会人で高卒1年目となった昨年は、自他ともに「遠慮があった」と振り返るが、今では年上の先輩投手たちを引っ張る存在となっており、その自負もある。
「だんだんと慣れてきて、声を出したりコミュニケーションを取れるようになってきました。落ち着いて“ここで打たせよう”とか“この球で抑えよう”と考えることができています」
また、先日の試合では左中間場外への本塁打を放つなど木製バットにも慣れ、相手への脅威は増している。
そして何よりの武器はその強肩。力強くコントロールの良い送球が光る。
今年の目標は11年ぶりの都市対抗出場と「そこでまず全国3位となること。そこから日本一も狙っていきたいです」と話す。そして来年に解禁となるドラフト指名も当然狙うが「まずはここで結果を出すこと。全力を尽くすこと」と、邪心を払い目の前のプレーに集中していく。
常に大事にしている言葉は「自分よりも上手い奴は星の数ほどいる」。飽くなき向上心で己を、そしてチームを引き上げていく。
文・写真=高木遊