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【目指せ未来の侍ジャパントップチーム】近藤大樹(侍ジャパンU-15代表/嘉麻ボーイズ)

昨夏に福島県いわき市で行われた第3回 WBSC U-15ベースボールワールドカップ(以下、W杯)。侍ジャパンU-15代表は、決勝でキューバにこそ敗れたが堂々の準優勝を果たした。

今回は、内野守備の要である遊撃手と1番打者を務めた近藤大樹内野手(ポニーリーグ・嘉麻ボーイズ)に、成長の要因や今後の抱負を聞いた。

★部員3人の練習で磨いた守備力

W杯では主に1番打者として出塁率.400を記録し、守備では俊足を生かした広い守備範囲と捕ってから速い好送球で投手陣を何度も助けた近藤。

この守備の基礎は、小学6年時にソフトバンクホークスジュニアに選出され、その際に出口雄大コーチ(当時/元巨人、ソフトバンク外野手)に基礎を教わったのだという。

また、それを中学時代の逆境で、さらに上達させた。チームの分裂があり、小学校時代から指導を受けていた大和晃士監督が発足させた嘉麻ボーイズに、1年冬に移籍。だが、部員はわずか3人。発足時から2カ月は、来る日も来る日も3人での練習となったが、父兄の練習補助の協力もあり「個人ノックばかりで、ボールにものすごくたくさん触れられたことは大きかったです」と当時を振り返る。

そして中学2年で合同チームとして試合に出場。3年になると、下級生も含めて、ようやくチーム単体でポニーリーグの公式戦に出場を果たした。そんな時に舞い込んできたのが、侍ジャパンU-15代表のセレクション受験だ。見事に合格を果たすが、「手応えがなかったので」と本人にとってはサプライズ選出となった。

それでも鹿取義隆監督の評価は高く、開幕戦からスタメンの座を獲得。その後も固い守備を中心に貢献し「打球のスピードも違ったので、守備では自信がつきました」と手応えを掴んだ。

一方で「自分の足りないとこ、成長しなきゃいけないことが分かりました。課題はやっぱりバッティングですね。もう少し打てていたら(打率.250)個人賞を獲れたかなとも思ったので」と今後の課題も明確になった。

高校進学は数多くの誘いの中、「野球に集中できる環境が良かったので」と元メジャーリーガー・新庄剛志氏らを輩出し甲子園優勝経験もある名門・西日本短大附を選択。学業面でも将来的なことも考え、特進コースで3年間学ぶ。

将来の目標は「超一流の選手になること」。昨夏に得た大きな財産を生かし、甲子園出場、プロ入り、そして最終的には侍ジャパントップチーム入りを目指し、今後もひた向きに汗を流して行く。

文・写真=高木遊