- プロ野球
2017.02.07 11:00
【Baseball Gate Analysis】シュートは覚えるべき球種なのか?

名将・野村克也氏は投手にシュートを覚えることを推奨していた。では、この球種にはどのような特徴があるのだろうか。昨季の球種別奪空振り率を見ると、シュートは6.1%と全ての球種の中で最も低かった。また追い込む前に使われることが多いこともあり、被打率も高いようだ。しかしストライク率とゴロ割合は、いずれも3番目に優秀な数値を記録。空振りは奪えないが、ストライクが取れ、バットに当てられても長打になりにくいゴロとなる確率が高い。シュートはカウントを整えたり、ゴロを打たせたい時には有効な球かもしれない。

そこでシュートによって成績が好転した投手の例を紹介したい。昨季5月まで防御率5.65と精彩を欠いていたオリックス・西勇輝は、6月からシュートを投げ始めた。すると同球種はストライク率が7割を超え、ゴロ割合も58.4%と持ち球の中で最も高い数値をマーク。その影響もあり、6月以降の与四球率は1.83とそれまでの4.08から大幅に改善。ゴロを打たせる割合も増えたことで、安定した投球を取り戻した。ストライクを取るのに苦しんでいる投手や長打を浴びやすい投手は、シュートを覚えることで現状を打開できるかもしれない。
※データはすべて2016年シーズン終了時点
文:データスタジアム