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欲しいのは「自信、安心感」 松坂大輔、初日に良化の兆しも「手応えまだ」


各地で各球団がキャンプインした2月1日。ソフトバンクの注目の1つは、右肩手術からの復活を目指す松坂大輔が、いかなるキャンプ初日を過ごし、昨季とどんな変化を見せてくれるか、だった。

■今年こそ復活? キャンプ初日の右腕、投球フォームに明らかな変化

 各地で各球団がキャンプインした2月1日。ソフトバンクの注目の1つは、右肩手術からの復活を目指す松坂大輔が、いかなるキャンプ初日を過ごし、昨季とどんな変化を見せてくれるか、だった。

 練習前に行われた円陣。ここで、その日ブルペン入りする選手は投手コーチにその旨を伝えることになっている。キャンプイン初日、そのメンバーの中に松坂大輔の名前はなかった。

 キャッチボールを終え、ロッカールームへと引き上げる選手たち。着替えを終えると、1番乗りの攝津正に続き、次々に投手たちはブルペンへと歩みを進めた。遅れること数分、着替えを終えた背番号18も、駆け足でブルペンへと向かった。

「最初はどうしようかな、と思っていましたけど、キャッチボールで問題なければ(ブルペンに)入りますとコーチには伝えていました」。キャッチボールを行い、自らの状態を確認。問題はないと判断し、ブルペン入りを決めたのだという。

 そのブルペン。まずはセットポジションで29球。「ストレートを投げるための作業」という変化球も交えながら、ボールを投げ込んだ。30球目からはノーワインドアップでの投球に切り替えた。元来、ワインドアップで投げてきた右腕だが、オフに参戦したプエルトリコのウインターリーグ中にこれに挑戦。好感触を得たことから、現在も継続して取り組んでいる。そこから30球。計59球を投じ、初日の投球練習を終えた。

 この日の投球で見えた、松坂の変化がある。ワインドアップからノーワインドアップへの切り替えだけではない。投球フォームの重心が昨季よりも明らかに下がっていた。

■投球フォームは「ずっとやってきたこと」、「体はスムーズに動いていた」

 昨季までの松坂は重心の位置が高く、踏み出した足に体重が乗り切らず、どうしても上半身に頼った投げ方となっているように見えた。ところが、この日の投球を見ると、腰の位置が下がり、体重が踏み出した左足に乗り、跳ね上がるようなフィニッシュとなっていた。

 松坂自身は「それだけではいいとは判断出来ないですね。前に行くのが早いときもあるので」と言う。ただ、一昨季、そして昨季のフォームよりも、確実に良化しているのではないだろうか。

「何球かは気になるボールはありましたけど、体はスムーズに動いていた」と話す右腕。投球フォームに関しては「ずっとやってきたこと。今、特別に気をつけていることはないですね」という。

 右肩に不安を抱えていた入団1年目、手術明けで患部の状態を常に気遣いながら過ごした2年目。そして、オフにプエルトリコで実戦登板までして迎えた3年目。これまでの春季キャンプとは肉体的にも、精神的にも違うものだろう。

「手応えはまだないですね。そう思える自信、安心感がそのうち出てきたらいいですけど……」

 復活を目指す今季。苦しく、険しい道かもしれない。それでも、再び1軍のマウンドで輝くため、松坂大輔の戦いは続く。

福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani

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