BASEBALL GATE

プロ野球

日本人投手2人も…米メディアがメジャーのワーストFA契約「27」を選出


米メディア「ザ・チート・シート」 は「メジャーリーグの歴史に残る27のワーストFA契約」と題した特集記事を掲載。不名誉なランキングの中に、松坂大輔、井川慶とポスティングシステム(入札制度)でメジャー移籍した2人の日本人投手が選出されている。

■MLBワーストFA契約特集、松坂は20位、井川は13位に

 メジャーリーグでは今オフも多くの大型契約が生まれた。キューバ出身のヨエニス・セスペデス外野手は、メッツと4年1億1000万ドル(約123億円)で再契約。注目されたクローザーの「FAトップ3」は、アロルディス・チャプマン投手(カブスからFA)がヤンキースと5年8600万ドル(約99億円)、ケンリー・ジャンセン投手(ドジャースからFA)がドジャースと5年8000万ドル(約92億円)、マーク・メランソン投手(ナショナルズからFA)がジャイアンツと4年6200万ドル(約71億円)で契約した。

 ただ、救援投手史上最高額となったチャプマンとヤンキースの契約は、リスクもあるとして賛否両論を呼んだ。実際、過去には大型契約を結んだものの、不良債権化した選手も多い。米メディア「ザ・チート・シート」 は「メジャーリーグの歴史に残る27のワーストFA契約」と題した特集記事を掲載。不名誉なランキングの中に、ポスティングシステム(入札制度)でメジャー移籍した松坂大輔、井川慶の2人が選出されている。

 記事ではまず、「今年のFA選手で最高の打者、ヨエニス・セスペデスは早々にメッツと4年総額1億1000万ドル(約123億円)の契約を結び、両者にとっても良い契約のように見受けられている」と紹介。セスペデスの大型契約は理に適ったものだと分析しつつ「しかし、こうした契約はしばしば思惑通りの結果に繋がらないこともある」とも言及し、「MLBの歴史に残る27のワースト契約」を紹介している。

 先に名前が挙がっているのは、松坂だ。西武からポスティングシステムで海を渡った右腕は5111万1111ドル11セントの譲渡金と6年総額5200万ドルの契約を合わせて総額約1億300万ドル(現在のレートで約118億円)でレッドソックスに入団。1年目の2007年にワールドシリーズ制覇に貢献し、2年目は18勝を挙げたが、怪我もあり6年間で通算117試合登板、50勝37敗、防御率4.52の成績だった。

■松坂の契約は「投資に見合うものではなかった」

 特集では、ワースト契約の20位という不名誉な結果に。寸評で「日本での活躍を経てレッドソックスと契約した松坂であったが、その前評判と『ジャイロボール』にそぐうものではなかった」と厳しく評価し、「ボストンで活躍したのは防御率2.90を記録した2008年のみであったが、あまりに多くの四球を与えてしまった」とコントロールの悪さも指摘。「レッドソックス5年間でわずか668回1/3しか投げられず、防御率は4.52であった。レッドソックスの期待と投資に見合うものではなかった」としている。

 また、同年に阪神からポスティングシステムでヤンキースに移籍した井川は13位。こちらは入札額2600万194ドルと5年総額2000万ドルで、総額約4600万ドル(現在のレートで約53億円)をヤンキースが投資したものの、メジャーでは5年間でわずか16試合の登板に終わった。

「レッドソックスが松坂に大金を投じた同じ年に、ヤンキースは井川慶と契約を結んだ。5年総額4600万ドルの契約をヤンキースファンは鵜呑みにしていたが、故障に苦しんだ井川は2年間で13先発のみであり、71回2/3で防御率6.66という結果であった」

 こちらも、ファンの期待に応えられなかったことを指摘している。

■韓国人投手のパイオニアも…ワースト契約「27」は

 また、ドジャースで通算84勝(58敗)を挙げるなど韓国人投手のパイオニアとなった朴賛浩投手も、その後のレンジャーズとの契約が19位のワースト契約となっている。

「ドジャースで2001年に35先発、234回、防御率3.50を記録し、初のオールスター出場も果たした28歳は、そのオフにFAとなった。レンジャーズは朴に5年6500万ドル(現在のレートで約74億5500万円)の契約を提示し、エースとして迎え入れたが、結果には結びつかなかった。移籍後2年間でわずか32先発にとどまりレンジャーズ在籍通算では380回2/3、防御率5.70であった」

 偉大なキャリアを誇るが、大型契約後は成績がふるわず、金額に見合った活躍はできなかった。

 なお、同サイトが掲載したワースト27のFA契約は以下の通りとなっている。()内は契約を結んだチーム。

27位 アンドリュー・ジョーンズ(ドジャース)
26位 ケビン・ミルウッド(レンジャーズ)
25位 トッド・ハンドレー(カブス)
24位 オリバー・ペレス(メッツ)
23位 ショーン・フィギンズ(マリナーズ)
22位 アルフォンソ・ソリアーノ(カブス)
21位 ザック・グリンキー(ダイヤモンドバックス)
20位 松坂大輔(レッドソックス)
19位 朴賛浩(レンジャーズ)
18位 ジェイソン・シュミット(ドジャース)
17位 アルバート・ベル(オリオールズ)
16位 A・J・バーネット(ヤンキース)
15位 モー・ボーン(エンゼルス)
14位 ミルトン・ブラッドリー(カブス)
13位 井川慶(ヤンキース)
12位 ラス・オーティス(ダイヤモンドバックス)
11位 カルロス・シルバ(マリナーズ)
10位 ゲイリー・マシューズjr.(エンゼルス)
9位 カール・パバーノ(ヤンキース)
8位 カール・クロフォード(レッドソックス)
7位 ジェイソン・ベイ(メッツ)
6位 バリー・ジート(ジャイアンツ)
5位 デニー・ネーグル(ロッキーズ)
4位 マイク・ハンプトン(ロッキーズ)
3位 パブロ・サンドバル(レッドソックス)
2位 メルビン・アップトン(ブレーブス)
1位 ジョシュ・ハミルトン(エンゼルス)

関連リンク