- プロ野球
2017.01.22 13:08
潮崎から高木、栗山へ 歴代のスター選手でつなぐライオンズのチャリティーのバトン
写真提供=埼玉西武ライオンズ
母の日には『ライオンズ・ハッピーマザーズデー』(2014年~)で日本対がん協会への寄付を行ったり、『ライオンズカップ車椅子ソフトボール大会』(2015年~)を開催して障害者スポーツを支援したりと、さまざまな慈善活動プログラムを展開する埼玉西武ライオンズ。
そのほかにも、チケット代の一部が国連WFPへの寄付になる『WFPウォーク・ザ・ワールド』(2014年~)や、埼玉県の子どもの食育・教育・友情の充実を目的とした『ライオンズこども基金』(2012年~)、発展途上国への用具寄付で世界的な野球振興を目指す『Lions Baseball for the World』(2013年~)など、球団の社会的な活動は多岐にわたっている。
◆先輩から後輩へ、受け継がれる支援活動
写真提供=埼玉西武ライオンズ
選手主体の取り組みも活発だ。キャプテンの栗山巧選手は、知的障害や小児がんの子どもたちを球場に招待する活動や、安打数に応じた東日本大震災の復興支援活動が評価され、2014年にゴールデン・スピリット賞を受賞。その姿に刺激を受け、炭谷銀仁朗選手も難病の子どもと家族の支援や球場招待を開始し、秋山翔吾選手もひとり親家庭の親子を球場に招待する取り組みを始めた。
栗山選手と炭谷選手が行っている球場招待の一部は、「所沢市手をつなぐ親の会」に年間シートを寄付することで実施しているが、この活動は同球団OBで現在は二軍監督を務める潮崎哲也氏が現役時代に始めたものだった。その後、高木大成氏や小野寺力氏が現役中に引き継ぎ、栗山選手が2006年にバトンを受け取って、一昨年から炭谷選手もそれに続いた。
球団内では、こういった先輩たちの活動に感銘を受けて手を挙げる選手が増え、現在も何人かの選手が独自の慈善活動プログラムを考案中だという。プロ野球選手として得たものを社会に還元する文化が、球団の中でしっかり受け継がれている様子が伺える。
◆目指すのは、球団の垣根を超えたインパクト
ライオンズの強みは、選手と球団が一体となって活動できているところだ。実は、『ライオンズこども基金』も栗山選手が提唱し、球団がそれに応える形で実現させたもの。選手と球団が協力し合い、ライオンズかるたや選手たちの写真入りランチョンマットなどの物品寄贈を行っている。
昨年からは、地元の知的障害者ソフトボールチームの支援にも着手した。2020年の東京オリンピック・パラリンピックを意識した取り組みも展開する意向だという。ゴールは、支援活動を地元だけに留めず、12球団の足並みをそろえて世の中に広めていくこと。“野球=チャリティー”が身近なものになるまで、ライオンズの奮闘はこれからも続く。