- 大学野球
2018.10.24 17:52
牽制や守備も一級品 復活遂げた技巧派左腕 伊藤将司(国際武道大)
「時は来た!ドラフト指名を待つ男たち」
投手としての高い総合力と豊富な実績を誇る技巧派左腕。横浜高時代は2年夏と3年春に、エースとして甲子園出場に導いた。名門で培われたものは大きく、国際武道大・岩井美樹監督は「勝負への執着心が強いですし、バントのフィールディングや牽制など、本来大学で教えていくことが既にできていました」と振り返る。
そのため好不調の波が極めて少ない。大学1年春に千葉県大学野球リーグで初勝利を挙げると、2年春に先発の座を掴む。すると、いきなり6勝0敗の好成績を残し、以降も安定感は変わらず通算24勝を記録。昨春の大学選手権では3試合に先発し準優勝に貢献し、侍ジャパン大学代表にも2年連続で選出された。
野球部専用の合宿所は無く自炊生活ではあるが、ウェイトトレーニングと栄養学の授業、自らインターネットで学んだ食事の摂取で、入学時に73kgだった体重は86kgまでに成長。
球威を増した最速144キロのストレートは初速と終速の差が少ないため、球速以上に打者の手元へ差し込む。またスライダーやツーシームなどの変化球もキレ・コントロールともに良い。そして、前述のように牽制や守備も一級品で「自分の投球を自分で助けることができる」と岩井監督は評価する。
今年はさらなる進化を目指してカットボールを多めに投げ込んだことが祟ったのか、左ヒジを故障し戦線離脱した。6月の全日本大学野球選手権では復帰したが、チームはまたも準優勝と悔しさだけが残った。
それでも雪辱を期した秋は2回戦の先発を任され、徐々に調子を上げると城西国際大戦で9回2安打完封勝利。チームを4季連続35回目のリーグ優勝に導くなど3勝を挙げて復活を遂げた。
小学生の頃に松坂大輔(中日)に憧れたという野球少年は、強豪で過ごした日々で身につけた高い経験値と技術を武器に成長を遂げ、運命の時を待っている。
文=高木遊
写真=山本晃子
TBSテレビ「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」番組公式サイト
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