「クライマックスシリーズ」 菅野がノーヒットノーラン 　セ・リーグのＣＳファーストステージ第２戦でノーヒットノーランを達成し、小林誠司捕手と笑顔で抱き合う巨人の菅野智之投手＝１４日、神宮球場【写真提供：共同通信社】

　読売巨人の菅野智之がクライマックスシリーズ（CS）史上初となるノーヒットノーランの快投で、チームをファイナルステージ進出に導いた。

　9回113球を投げて与えた走者は四球の1人のみ。7回2死から山田に与えただけだった。「最高の気分です」と会心の笑顔を見せた菅野は「昨日もいい流れでチームがつないでくれたので、なんとか波に乗って投げることができた」と初戦からのチームの勢いそのままの投球を見せた。「6回ぐらいから意識していた」というエースは「途中から完全に狙っていたので、フォアボールはもったいなかった」と悔やんだが、「小林は今年、ノーヒットノーランは二度目なので意識してくれていたと思う」と、シーズン中の山口俊の記録達成時にもマスクをかぶった恋女房に感謝した。

　チームはレギュラーシーズンを借金4の3位で終えたが、終盤の快進撃で貯金9の2位となった東京ヤクルトを圧倒し、2連勝でファーストステージを突破した。シーズンで最多勝、最優秀防御率などの投手タイトルを独占した右腕が最高の形でファイナル進出を決め、独走でリーグ3連覇を達成した広島に挑む。「僕たちは挑戦者なので」と意気込みを見せた菅野は「高橋監督と1日でも長く（野球が）できるように、最後までフル回転で頑張りたい」と、今季限りで退任の決まっている指揮官との日本シリーズ進出を誓った。「一緒に広島に行きましょう」と敵地に詰めかけたファンに呼びかけたエースの奮闘が、史上最大の下克上の原動力となる。