お立ち台で３連発をアピールするＤｅＮＡの（左から）ソト、宮崎、筒香＝横浜【写真提供:共同通信社】

横浜DeNAの筒香嘉智が逆転満塁本塁打を放ち、首位を独走する広島東洋に劇的勝利を飾った。

　1年前の歓喜を呼び起こす一発だった。1対4と敗色ムードが漂う8回、無死満塁の場面で筒香が逆転のグランドスラムを放った。そこから宮崎、ソトが3者連続本塁打で試合の行方を決定づけた。

　7回までは広島東洋先発の野村の前に1点しか奪えなかった。5回には一死満塁のチャンスを作ったが、ロペスが併殺打に倒れた。野村が続投した8回、大和、柴田、ロペスの3連打で一打逆転のチャンスを作った。「前の選手が必死になってつないでくれたので、なんとしてもランナーを還す思いだった」という筒香は、代わったばかりの広島東洋2番手・一岡の初球をライトスタンドへ運んだ。ラミレス監督が「我々の期待する仕事をしてくれた」と絶賛した4番打者は、「先発の東が本当に粘り強く最少失点で抑えてくれたので、何としても逆転するという雰囲気が出ていた」と、7回4失点ながら11奪三振と力投したルーキーの名前を勝因に挙げた。

　昨季も8月に横浜スタジアムの広島東洋との3連戦で、先発野村の初戦で筒香、ロペス、宮崎の3連発で勝利し、3試合連続サヨナラ勝ちを記録した。ラミレス監督は「去年、同じような試合があって、そこがターニングポイントとなった」と振り返ったように、そこからクライマックスシリーズで広島東洋を破り、日本シリーズ進出を果たしている。「明日と明後日も試合があるので、全部勝てるように頑張る」という筒香の言葉が現実になれば、昨季の再現も夢ではなくなる。