９回、３ランを放ち、ナインに迎えられるオリックスのロメロ（手前）＝札幌ドーム【写真提供:共同通信社】

　オリックスのロメロが29日の北海道日本ハム戦で、決勝タイムリーとダメ押しアーチを放ってチームを勝利に導いた。

　昨季途中に3年契約を結び、長距離砲としての活躍を期待されていたロメロ。しかし序盤から打撃不振に苦しみ、周囲が満足する数字を残せていなかった。それでも打線の軸としての信頼は揺るがず、6月以降は徐々に調子を上げてきていた。

　「3番・ライト」でスタメン出場したこの日は、3打席目までヒットは生まれず。そして2対2で迎えた8回。無死2、3塁と一打逆転の場面で打席が回ってきた。ここで「いいボールがきたらしっかり捉えてなんとかランナーを返す」と考えたロメロは、5球目のアウトコース低めのスライダーをセンター前へ。この一撃で2点が加わり、チームは勝ち越しに成功した。さらに9回には2死2，3塁で甘く入った初球のフォークをフルスイング。これがレフトスタンド上段へ飛び込む第18号3ランとなり、勝利を確実なものにした。

　2安打5打点の活躍でチームの連敗を8でストップさせたロメロ。ヒーローインタビューでは、「今日はローチ投手、ブルペンのメンバーもいいピッチングをして、こうやって勝てたってことは本当にうれしい」と、2失点で試合を作った投手陣をねぎらった。

　得点圏打率は1割台だが、勝負強さはロメロの魅力のひとつ。この日の活躍で勢いに乗れば、チームの打線にも活気が生まれるはずだ。