今季初勝利を挙げ、ファンとタッチする広島・中村祐＝マツダ【写真提供:共同通信社】

　今季初先発となった広島東洋の中村祐太が、18日の東京ヤクルト戦で7回1失点の好投。中村祐は自ら先制タイムリーを放つなど、投打に活躍してチームの4連勝に貢献した。

　昨季5勝をマークし、今季は先発ローテの一角に期待された中村祐だが、春季キャンプ中の練習試合で右胸部に打球が直撃して開幕一軍を逃した。そして迎えた今季初登板初先発に「悔しい思いをしていたので、なんとか結果を出してやろうと思っていた」と臨むと、初回三者連続三振スタートから4回までノーヒットに抑えて7回を2安打1失点。「ストライク先行でいけたのが一番。変化球でもストライクが取れた」と好投に胸を張った。

　今季は与四球数の多さが悩みの種となっているカープ投手陣だが、7回までに与えた四死球は3つ。「フォアボールを出してからも、切り替えて考えながら投げられた」と言う通り、ピンチらしいピンチもないほぼ完璧な内容で、5回に廣岡に打たれた一発が、唯一の失点となった。「あの1球だけだと思う」と悔やんだ右腕だが「たとえゼロで抑えたとしても、完璧という投球はない。自分で満足しないように、常に向上心を持ってやっている」と、目指すべきところは高い。

　「昨年、経験できたことが。今季に生きている」という中村祐。「今日は落ち着いて投げられたが、これを続けていかないと意味がない」遅れてきた右腕の快投で、先発ローテの一角が埋まりそうだ。