- プロ野球
2017.12.28 20:13
「一生、夢は続く」女子球児 蔵方菜央、山岸心々(埼玉西武ライオンズジュニア)【12球団ジュニアトーナメント】
12月28日、札幌ドームで行われている「NPB12球団ジュニアトーナメント2017 supported by日能研」で埼玉西武ライオンズジュニアは東北楽天ゴールデンイーグルスジュニアに0対2で敗れたが、女子2選手が先発出場。試合後には将来の展望も語ってくれた。
★女子2選手が先発出場
女子選手としてチーム史上初となる主将を務めた蔵方菜央投手(埼玉西武ジュニア)が予選リーグC組の東北楽天ジュニア戦に「5番・投手」で先発した(前日は7番・右翼手で先発)。
試合前のアップ中に先発登板を告げられたというが「心の準備はしていました」という蔵方は、左腕から自己記録を更新する最速116km/hをマークしたストレートで押していき、2安打1三振2四球の内容で、予定の2回終了で降板。1回には失策で1失点するも、2回は粘りの投球で無失点に抑えた。
また、もう1人の女子選手である山岸心々内野手は「2番・二塁手」で出場。2打席に立ち、三振と投手ゴロに終わった。それでも「良い球場で野球ができて、とても楽しかったです。練習すればするほど野球は上手くなるし、友達もたくさんできました」と笑顔で大会を去った。
★女子主将の熱い思い
前日の敗戦後は「みんなで優勝を目指してやってきた練習や周りの応援を思い出して」と目には涙が浮かんでいたが、この日は「みんなで試合を楽しめました」と清々しい表情を浮かべた。
所属チームでは主将でなかっただけに苦労もあったというが「みんなで喋れるようになってきてから、プレーの連携もできてきました」と徐々にチームの結束力は強まっていったという。
蔵方を「声もよく出ていて、前向きな姿勢が一番あったから」と主将に任命した岡村隆則監督は「チームをよくまとめてくれました」と労い、投球についても「良い球を投げていましたね。飛ばして投げてもコントロールが良かったです」と高く評価した。
中学では強豪硬式クラブチームに入部予定だ。「力では男の子に絶対に負けてしまうのは分かっていますが、少しでも追いついける努力をして、技術では負けたくありません」と強い決意を明かした。
そして最後に、将来の目標について熱い思いを語ってくれた。これを聞いて、彼女のこれまでの成長を納得させられ、今後への期待がさらに大きくなった。
「頑張って男子のプロ野球に入りたいです。それが叶わなかったら女子プロ野球に入ってマドンナジャパン(女子野球日本代表)のエースになって、引退後は指導者になってプロ野球選手を育てたいです。そうすれば一生、夢は続くのかなと思います」
取材・文=高木遊