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PL魂の継承者・中川圭太が7打点!侍ジャパン大学代表が予選ラウンド首位通過【ユニバーシアード】

写真提供=getty images


第29回ユニバーシアード競技大会 予選ラウンドBグループ第3戦
侍ジャパン大学代表11-5アメリカ(8月23日/台湾・台北市)

★値千金の満塁弾

2016年夏限りで休部状態となっている名門・PL学園出身の中川圭太内野手(東洋大)が1人で7打点を挙げる大活躍を遂げた。

2回に先発・森下暢仁投手(明治大)がアイオワ大学の単独チームで構成されるアメリカ代表の8番打者に先制3ランを浴びた。打線も相手先発左腕の緩急をつけた投球にタイミングが合わず、3回に相手失策で1点を返したのみ。アメリカペースで試合は中盤に進んだ。

ところが相手投手が2番手へ代わった5回に流れを変えた。

1死満塁のチャンスが訪れ、打席には3番・中川。直前に2番・宮本丈内野手(奈良学園大)の死球による負傷退場で数分の間が空いたが、「負傷退場した宮本さんの悔しさも込めて打席に立ちました」と、中川は集中をより高めた。

そして1ボールからの141km/hのストレートを振り抜くと、打球はレフトフェンスを超える満塁本塁打。中川が「これまでにないくらいの当たりでした」と振り返る値千金の一発で逆転に成功した。

さらに6回にも右中間へ2点タイムリーを放ち、8回には強い当たりのセンター返しを相手投手がグラブで弾き、その間に三塁走者が生還して7打点目を挙げた。

★来秋ドラフト候補にも挙がるスラッガー

大学代表初選出となった7月の日米大学野球では、初戦こそ海外投手特有の球筋に戸惑い無安打に終わったが、第2戦では3安打を放ち、この頃から「ボールの軌道をしっかり見極めて打てています」と話す。

この日の活躍には視察に訪れているソフトバンク・宮田善久スカウトも「右打者で長距離を打てるのは魅力。タイミングの取り方も良いし、スイングもコンパクトです」と来秋のドラフトを睨み高く評価した。

PL学園では存続問題に揺れる中で主将を務め、最後の夏に決勝進出。その後甲子園を制す大阪桐蔭に敗れたものの、その悔しさを糧に東洋大では1年からスタメンを勝ち取った。3年となった今春は主力打者として東都大学野球優勝に大きく貢献。侍ジャパン大学代表でも不動の3番打者となっており、PL学園出身の鈴木英之コーチも「対応力が高いし、勝負強い。さすがPLですね」と日に日に増す後輩の頼もしさに目を細めた。

厳しさの増す25・26日のスーパーラウンド、28・29日の準決勝・決勝に向けて、頼もしい存在がまた1人現れた。

アメリカ 003000011=5
日本 00105302X=11
【日】森下、齊藤、松本、栗林、阪本—小畑、小林
本塁打:中川(5回満塁)

◎善波達也監督

「中川の本塁打が効果的でした。もともと打撃は良いですが、確実性が上がってきました。今日は投手が相手打線に捕まってしまったので、スーパーラウンドに向けて状態を上げていきたいです」

★スターディングメンバー

左 島田(上武大)

三 宮本(奈良学園大)

二 中川(東洋大)

指 楠本(東北福祉大)

一 大平(桜美林大)

中 辰己(立命館大)

右 内海(中部学院大)

捕 小畑(立正大)

遊 熊谷(立教大)

投 森下(明治大)

文:高木遊