- 高校野球
2022.10.08 17:13
大谷翔平並みの素材 高校ナンバーワン投手の評価あり 田中晴也(日本文理高)【時は来た!ドラフト指名を待つ男たち 高校生編】
0対11。
夏の主役になれるはずのピッチャーの甲子園での初戦。想像できない結果だった。
6回を投げて自責点7。三振は3つしか奪えなかった。
「勝てる自信を持って臨んでいたので・・・」
県大会で作ってしまった右手人差し指のマメがつぶれ、ユニフォームには赤い斑点が見られた。
「指がボールにかからなくて最後の一押しができなかった」
マメができたのが県大会の準決勝。決勝はマメをつぶしながらも、帝京長岡相手に延長11回を投げて勝ち切っていたので、なお惜しまれる。大舞台でもっと見ていたい二刀流選手だった。
ピッチャーとしては最速150キロ。バッターならば柵越え高校通算20本以上。大谷翔平並みのスケール感がある。「素材で言うなら高校生ナンバーワン」という関係者もいるほどだ。
マウンド上ではゆったりとした風格があった。スカウトが将来性は指折りの存在、と評価する。
「球に威力があり、伸びしろがある。腕の振り、角度がいい。体を鍛えれば、チームの中心投手になれる素材。ここぞという時の球の強さは魅力。連戦で疲れもある時の登板も強弱をつけてゲームメークができる」
バッティングも惜しいがピッチャーで育てたい、と別のスカウトが言う。
「投打とも能力が高い選手ですが、投手としての将来性を高く買っています。肩甲骨周りの柔軟性があり、体格もいい。変化球もキレがありますし、もっと強く押し込めるリリースになればさらに化けるはずです。先発で長いイニングを投げられるように、大きく育てていきたい素材」
その日の出来を反省し、考えて次に生かすことも欠かさない。試合後には監督、コーチと話し込むことがよくあるとう。「のみ込みが早いので教えていて楽しい」とチームスタッフが語るそうだ。そう思わせるセンスも大事だ。
長岡市南中学校の軟式野球部でエース。新潟選抜チームで中3秋の全国大会に出場した。
日本文理では1年時秋から背番号9でベンチ入り。県大会4回戦で初登板。3番に座り満塁ホームランを自ら放って勝利に貢献。翌2年春からエースの座に。2年夏の県の準決・新潟明訓戦で2本塁打。決勝・新潟産大附戦で144㌔を記録している。
そして迎えた甲子園。北陸勢同士、敦賀気比との対戦は終盤の追い上げも及ばず6対8で敗れる。自己最速147キロを記録したが、2回までに5失点。8回で15安打を許した。
そして今年、昨夏の雪辱はならなった。
プロの世界で〝晴らす也〟。