ファン投票で3回目のオールスター出場を決めた阪神・近本光司。過去2回の球宴舞台で大活躍を見せたスピードスターが、今年の夏も快音を響かせる。

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　1994年11月9日生まれ。兵庫県淡路市出身。社高から関西学院大に進学し、投手から外野手に転向。社会人野球の大阪ガスで1年目からレギュラーとして都市対抗野球優勝にも貢献し、2018年秋のドラフト会議で抽選を2度外した阪神から1位指名を受けてプロ入り。自慢の俊足に身長171センチと小柄ながらパンチ力のある打撃で、1年目からリードオフマンとして活躍し、打率.271、9本塁打、42打点、36盗塁をマーク。2年目も打率.293、9本塁打、45打点と働いて31盗塁で2年連続の盗塁王になると、昨季はリーグ最多の178安打を放ち、打率.313、10本塁打、50打点、24盗塁。ベストナインとゴールデングラブ賞に初選出されるなど、走攻守でハイレベルな働きを披露した。

　球界を代表するスピードスターは“お祭り男”でもある。オールスターに初選出された2019年、第1戦に代走で初登場すると宣言通りの「初球スチール」を成功。そして第2戦ではルーキー史上初の先頭打者アーチを放つと、2打席目以降も快音連発で5打数5安打2打点の大暴れを見せ、新人史上2人目のサイクル安打も達成。文句なしのMVPに選ばれた。コロナ禍の2020年は中止となったが、2021年の第1戦でもタイムリーを含む3打数2安打1打点で敢闘賞を受賞（第2戦で途中出場で1打数無安打）。オールスター通算4試合で脅威の打率.700（10打数7安打）を誇り、1本塁打、3打点、1盗塁という数字を残している。

　迎えた今季は、7月14日終了時点で86試合に出場して打率.302、1本塁打、22打点、16盗塁。オールスターでのファン投票では、セ・リーグ外野手部門で3位となる28万2825票を集めて3回連続のファン投票選出となり、「率直に嬉しいですし、ファン投票という形で選んでいただいて、オールスターという素晴らしい舞台で何か見せられることができたらと思います」と笑み。「普段と違うものを見せられたらいいと思います」と意気込んだ。

　もちろん、大活躍した過去2回同様に“お祭り男”を継続するつもり。「やはりオールスターは、凄い選手たちが集まる中で、凄いプレーが出るお祭りだと思うので、そういったところで魅せられる選手というのが本当に凄いと思いますし、ファンの方も期待していると思う。それに応えられるような選手になりたい」。走攻守三拍子揃った27歳。3回目の出場となる今年の夏も、思う存分、大暴れする。