「未来のエース候補」法大・篠木健太郎が初先発で6回無失点の好投！東大は今季2勝目ならず引き分け【10/24 秋季東京六大学野球法政大学vs東京大学】

　2021年10月24日、東京六大学野球秋季リーグの第6週2日目が行われ、第1試合では法大と東大が0対0で引き分けた。

足を2度大きく上げるフォームに改良した篠木

　救援登板で150キロを超える豪速球を連発し神宮を沸かせていた法大の右腕・篠木健太郎（1年・木更津総合）が満を持してリーグ戦初先発。加藤重雄監督の「来年以降、ウチのエースになって欲しい存在」という期待に応える好投を見せた。

　この日は出ても140キロ台中盤の球が多かったが、1回、3回と走者は許すものの後続を冷静に抑えると、3回から5回にかけては５者連続三振を奪う。5回には二死二塁のピンチもあったが、「調子はあまり良くなかったですが、ストレートとスライダーが良かったです」と、東大打線をねじ伏せていき6回も三者凡退に抑えて、後続にマウンドを譲った。

　木更津総合では昨夏の千葉県独自大会をエース・中軸打者・主将という3役をこなし優勝に導いた大黒柱だったが、法大でもチームの中心的な存在になるのは間違いなさそうだ。

　加藤監督は「来年から勝ち点制に戻ったら土曜日と月曜日を任せられるような投手になって欲しいですし、時代錯誤かもしれませんが先発完投という投手になって欲しいです」と期待をかけている。

　また、この夏から足を豪快に2回高く振り上げる二段モーション的なフォームに変更。誰かを手本にというわけではなく、もともと反動をつけるフォームだったため「より自分の長所を生かせるように」と自主的に改良を進めてきたが、それが今は大いにハマっているようだ。
「監督の期待に添えるような大きな投手になりたいです」と語る篠木には1年生ながら、その風格も感じさせるほどだった。

　一方、東大は前日まで9試合で122失点と投手陣が崩壊していたが、この日は先発の奥野雄介（4年・開成）が6回3分の0を投げて2安打、２番手の井澤駿介（3年・札幌南）が4回を投げて無安打という好投をそれぞれが見せて法大にホームを踏ませず。立大との2回戦に続く2勝目はならなかったが井手峻監督は「最後にやっと良い試合ができました」と勝てなかった悔しさを残しながらもホッとした表情を見せた。

これで東大は春秋で1勝ずつを挙げて今年のリーグ戦日程をすべて終えた。今年の4年生たちに井手監督は「チームのためにと、自分を犠牲にしながらよくやってくれました」と労った。来年から大学院に進む主将の大音周平（4年・湘南）は「春も秋も勝つことはできましたが、最下位脱出などはできず（スローガンに掲げた）『変革』はできませんでした」と悔しそうに振り返った。その上で「まだまだ野球が下手と感じた４年間でした。もっと上手くならないといけません」と後輩たちにエールを送った。
さらに社会人野球で競技を継続する希望を持つ井上慶秀（4年・県長野）は「もっと勝たないといけませんでした」と悔しそうに４年間を振り返り「社会人ではまず試合に出られるように、明日から練習しないといけません」と、さらなる高みを目指して前を向いた。

　両校ともに悔しさの残る引き分けではあったが、それぞれが力を尽くして未来に繋ぐことのできる戦いを見せた。