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法大と慶大は引き分け。ヤクルトドラフト1位・山下輝が3安打無四球完封【10/20 秋季東京六大学野球 法政大学vs慶應義塾大学】

 2021年10月20日、東京六大学野球秋季リーグの第5週4日目が行われ、ヤクルトからドラフト1位指名を受けた法大・山下輝(4年・木更津総合)と慶大投手陣の投げ合いの末、9回規定により0対0で両者引き分けた。

9回を108球にまとめるなど制球とテンポの良さも光った山下

【9回を108球にまとめるなど制球とテンポの良さも光った山下】

 新型コロナウイルスの集団感染で10月9日からのリーグ戦参加となり、いまだ未勝利と苦しい戦いが続く法大だが、プロからも高い評価を受けた大型左腕・山下が気迫のこもった投球を見せた。

 試合後に加藤重雄監督が「山下は100点満点」と語ったように、山下は初回からストレート・変化球ともに丁寧に精度良く投げ込んでいった。慶大4番の正木智也(4年・慶應/ソフトバンク2位指名)からも2回・4回ともにツーシームで三振を奪うなど3打数無安打と寄せ付けず。春の対戦では本塁打を浴びていただけに「一番良い打者ですし意識していました」という相手に対して、しっかりと雪辱を果たした。

 チームとしては苦しい展開が続くが、アップ時に主将の三浦銀二(4年・福岡大大濠/DeNA4位指名)と「お客さんや応援団のためにも締まった試合して勝たないといけないと話しました」と振り返ったように、三浦と並ぶエース二枚看板の1人として責任を持って投げ抜いた。

正木智也(慶應義塾大)山下輝から空振り三振

【打率.192となかなか状態が上がらない正木だが、武器の勝負強さを生かした活躍が期待される】

 一方、慶大は先発の増居翔太(3年・彦根東)が6回無失点と試合を作り、森田晃介(4年・慶應)、橋本達弥(3年・長田)も無失点と繋いで4安打完封リレーで法大に得点を許さず。

 堀井哲也監督は「本当に良い投手が相手でしたが、ディフェンス面で投手を中心に頑張ってくれました」と労った。雨天順延により変則の3連戦とはなったが、中継ぎに回った森田の安定感や守備陣の好守も光り、3連戦を含む第5週を2勝2分で乗り切った。これで4勝無敗4分けの勝ち点6で首位に立ち、優勝が懸かった状態で10月30日からの早慶戦に臨むことになった。

6回3安打無失点8奪三振の好投を見せた増居に対し堀井監督は「山下くんのような剛球ではないが精度とキレで抑えてくれました」と称えた

【6回3安打無失点8奪三振の好投を見せた増居に対し堀井監督は「山下くんのような剛球ではないが精度とキレで抑えてくれました」と称えた】

■法政大vs慶應義塾大2回戦
法大 000 000 000=0
慶大 000 000 000=0
【法】山下輝-村上
【慶】増居、森田、橋本達-福井

◎慶大・堀井哲也監督
「(日曜日が雨天順延となり)その時点で森田を中継ぎに回し、橋本とともに3連投と決めていました。(好守が続くが)投手陣のコントロールが良いので打球も予測しやすいということもあると思います。(早慶戦に向けて)好投手を相手にどのように戦っていくか。攻撃を仕上げていきたいです」

◎慶大・正木智也(4年・慶應)
「(山下に対して)チーム全体で崩そうと考えていましたが、思うような打撃ができませんでした。春よりもストレートが強くて甘い球が来ませんでした。(早慶戦に向けて)ミーティングをして何をやるべきかを絞っていきたいです。個人としてはメンタルと技術を調整するために、たくさん練習をしていきます」

◎法大・加藤重雄監督
「点が取れず山下におんぶに抱っこになってしまいました。今日は山下と篠木で逃げ切るつもりでしたが引き分けが精いっぱいでした。野手陣も一生懸命やっているが強いボールを打ちきれませんでした」

◎法大・山下輝(4年・木更津総合)
「無四球で流れを作れました。1週空いたので疲れを感じずに投げることができました。状態はだいぶ戻りストレートの感触も2、3日前から掴めてきました」

文・写真=高木遊