- 大学野球
2021.10.08 13:00
名門を牽引する勝負強さ抜群の四番打者 正木智也(慶應義塾大)【時は来た!ドラフト指名を待つ男たち 大学生編】
運命のドラフト会議を超速報!今年はSportsBullでLIVE配信をお届けいたします。
慶應義塾高から高校通算50本塁打を放って注目を浴びていたが、大学4年間でもさらに成長を遂げて、ドラフト上位候補になった右のスラッガーだ。名門校の不動の4番打者として抜群の勝負強さがあり、特に今春の要所での活躍は見事だった。
まずリーグ戦では、開幕戦こそ無安打に終わったが、翌日の2回戦でドラフト候補の大型左腕・山下輝(法政大)から2ラン本塁打を放った。チームの連敗スタートを阻止する一打を放つと、最終的には10試合で4本塁打12打点を挙げて優勝に貢献。三振は3個のみで、10四死球を選ぶ選球眼の良さも光った。
続く全日本大学野球選手権では初戦から2試合無安打も、上武大との準決勝で3回に先制2ランを放ち、8回には決勝タイムリー。福井工業大との決勝戦でも初回に先制の2ランで口火を切ると、6回に中押しのタイムリーで13対2の大勝、34年ぶり4回目の優勝に導いた。
「最後のアウトを取るまでは喜ばないと決めていました」とポーカーフェイスを貫いていたが優勝の瞬間、笑顔を弾けさせた。また、最高殊勲選手賞も獲得し「チームが苦しい時に打つことができて本当に嬉しいです」と喜びを噛み締めた。
こうした勝負強さに堀井哲也監督は、「どんな場面でもどんな打席でもブレない。大事にする。だから結果として、要所で打つ勝負強さに繋がっていると思います」と称賛している。
春秋連覇を目指す今秋は「(バットを内から出す)インサイドアウトのスイングの継続と高い打率を残すために変化球をいかに打つかということに取り組んでいきたいです」とさらなる高みを目指している。
開幕2週を終えて、4試合13打数3安打と、まだ本領を発揮しきれてはいないが、既に7四死球を選ぶなど動じるような様子は一切見せない。堀井監督も「四球をしっかり選んでいますし、みんなが打てない時に打ってくれればと思います」と、変わらぬ絶大な信頼を置いている。
プレッシャーのかかる場面でこそ打つ、そんなチームメイトとファンから圧倒的な支持を受けるスター性溢れる活躍をプロの世界でも期待したい。
文・写真=高木遊