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法大が終盤に一挙9得点で逆転勝利!東大は2017年秋以来の白星ならず…【5/22 春季東京六大学野球 東京大学vs法政大学】

 5月22日、東京六大学野球春季リーグの第7週1日目が行われ、第2試合では終盤2イニングで9得点を奪った法大が、10対2で東大に逆転勝ちを収めた。

7回裏、法大が宮﨑のタイムリーで逆転に成功し、ようやくベンチが盛り上がる。逆転を許した東大・井澤(手前)は「少しコントロールが乱れてしまった」と振り返った。

 今季8試合を終え、勝点3.5(3勝4敗1分)の4位・法大と、勝点0.5(0勝7敗1分)の東大の対戦。
1週空けてのチーム最終週に臨んだ法大は1回裏、1番・岡田悠希(4年・龍谷大平安)がフルカウントからの変化球をすくい上げ、右中間スタンドへ放り込む先頭打者アーチを放って幸先良く1点を先制。投げては5月8日の明大戦以来の登板となった先発・三浦銀二(4年・福岡大大濠)が3回まで無安打無失点で5奪三振の好スタートを切った。

 しかし、今季未勝利ながらも幾度となく接戦を演じてきた東大が、力を見せる。4回表、2死から主将の大音周平(4年・湘南)がヒットで出塁し、初球で盗塁を決めて二塁へ進むと、4番・井上慶秀(4年・県長野)が1ストライクからの2球目ストレートをレフト前に弾き返して同点。さらに続く5回表には6番・安田拓光(3年・三鷹中等教育)が2塁打で出塁した後、代走の隈部敢(4年・浅野)が相手の隙を突いて三盗成功。そして1死三塁から松岡泰希(3年・東京都市大付)が、前進守備のサードの横を抜けるレフト前タイムリーを放ち、2対1と逆転に成功。何より、マウンド上で先発の井澤駿介(3年・札幌南)が法大打線を相手に2回以降ゼロ行進。「変化球でストライクを取れるようになって、的を絞らせないピッチングができるようになった」と丁寧かつ大胆なピッチングを続け、6回まで4安打1失点、4奪三振の好投を続けた。

7回裏2死満塁、法大の宮﨑が体勢を崩しながらもセンター前に逆転タイムリーを放つ。

 2017年秋の法大戦以来となる「白星」が見えてきた東大だったが、7回裏に法大打線がようやく“お目覚め”。この回先頭の中原輝也(4年・尽誠学園)がヒットで出塁すると、犠打と四球などで2死満塁となり、「ここは気合でいくしかない」と2番・宮﨑秀太(3年・天理)が打席へ。加藤重雄監督からひと言、「頼むぞ!」と声を掛けられて打席に入ると、1ストライクからの2球目、低めのボールにうまくバットを合わせてセンター前へ弾き返す逆転の2点タイムリー。さらに8回裏には、継投に入った東大投手陣に対し、途中出場組の松田憲之朗(3年・龍谷大平安)、大柿廉太郎(3年・健大高崎)のタイムリーなどで3点を追加すると、齊藤大輝(3年・横浜)がレフトへ豪快なトドメの満塁弾。終わってみれば計10安打で今季最多の10得点を奪った。

 勝利した法大は、7回4安打2失点の三浦がリーグ通算10勝目となる今季2勝目をマーク。敗れた東大は、3分を挟んでリーグ戦64連敗。井出峻監督は「途中までは良かった」、「(先発の井澤は)あと一歩だった」と悔しさを滲ませながら試合を振り返った。

東大の先発・井澤は7回6安打3失点。テンポの良いピッチングで6回までリードを保っていたが…。

■東京大vs法政大1回戦
東大 000 110 000=2
法大 100 000 27X=10
【東】●井澤、小宗、柳川-松岡泰
【法】○三浦、古屋敷-舟生、大柿
本塁打:法大・岡田《1回ソロ》、法大・齊藤大《8回満塁》

◎法政大・加藤重雄監督
「非常に胃の痛むというか、冷や冷やした試合になった。絶対にこのままでは終われないと思っていた中で、選手たちがいい形で点数を取ってくれた。1点ビハインドだったので、とにかく浮き足立たないように、絶対にチャンスは来ると、自分のバッティングをするようにと伝えていた。東大には絶対に負けられないというプレッシャーは正直あった。過去にも連敗して勝点を献上したことがありますし、優勝はなくなっても一つでも上(の順位)に行きたいという中で、みっともない試合は見せられない」

◎法政大・三浦銀二(4年・福岡大大濠)
「結果だけを見ると良かったです。今日の調子は良かった方。2点は取られましたけど、自分のピッチングはできたと思います。(リーグ通算10勝目に)すごく光栄なこと。節目の数字ではあるので、嬉しい気持ちです。今季はなかなか勝てない試合が続いていましたけど、慶應戦でのノーヒットノーワンも自分の中で自信になりましたし、秋に向けていいイメージで入れるかなと思います」

◎法政大・宮﨑秀太(3年・天理)
「(7回の逆転打は)前の3打席で打てていなかったので、ここは気合で行くしかないと思った。加藤監督から声を掛けられてスイッチが入った。よく間を抜けてくれました」

◎東京大・井出峻監督
「途中までは良かった。(5回の攻撃は)長打がなかなか出ないですから足を使っていった。選手が自分たちで考えて、いろいろとチャンスを狙っている。(先発の井澤は)最初にホームランを打たれましたけど、今日は井澤と心中するつもりでした。もう一歩でした」

◎東京大・井澤駿介(3年・札幌南)
「自分は1浪しているので、三浦投手とは同じ代。甲子園でも活躍したすごいピッチャーと投げ合えるということで、すごい楽しみにしていた。今季の前半戦は四球から大量失点してしまう試合が多かったですけど、立教戦辺りから良くなってきて、自分の中である程度の手応えは持って試合に入ることができた。変化球でストライクを取れるようになって、的を絞らせないピッチングができるようになった。(逆転を許した7回は)少しコントロールが乱れてしまった。ランナーをためてしまったのがミスだった」