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立大が執念の再逆転劇!主将・太田の起死回生の一打で優勝へ望みを繋ぐ!【5/22 春季東京六大学野球 立教大学vs明治大学】

 5月22日、東京六大学野球春季リーグの第7週1日目が行われ、第1試合では終盤の激しい攻防戦の末、立大が4対3で明大を退けた。

1点ビハインドの9回表、立大の太田がライトオーバーの2点タイムリー2塁打を放つ。土壇場で勝利への執念を見せた立大が逆転優勝の可能性を残した。

 ともに2連勝の場合のみ、逆転優勝の可能性が残るという状態で迎えた“負けられない”土曜日決戦。ここまで勝点5.5(5勝2敗1分)の2位・立大は、今季7試合に先発して1勝1敗、防御率4.28の池田陽佑(2年・智辯和歌山)が先発。勝点5(5勝3敗)の3位・明大は、今季5試合(先発3試合)で3勝1敗、防御率3.38の竹田祐(4年・履正社)がマウンドへ。右腕同士の投げ合いで試合が始まった。

 スコアはすぐに動いた。立大が初回、四球で出塁した1番・道原彗(3年・駒大苫小牧)がすかさず盗塁を決めて二塁へ進むと、2死後に打率.419(リーグ2位)、11打点(同1位タイ)と今季絶好調の4番・東怜央選手(4年・福岡大大濠)が1ストライクからの2球目ストレートを詰まりながらも右中間に落とし、立大が1点を先制。その後、投手戦が続いた中で立大が5回表に相手守備が乱れる間に1点を追加。投げては、池田陽が5回3安打無失点の好投を見せた後、6回、7回を2番手・栗尾勇摩(4年・山梨学院)がピシャリ。立大が2対0とリードしたまま7回を終えた。

今季8度目の先発マウンドとなった立大・池田陽は、尻上がりに調子を上げて5回3安打無失点の好投を披露した。

 しかし、試合は8回から激しく動く。4回以降無安打が続いていた明大打線が8回裏に反撃。6番・山田陸人(3年・桐光学園)、7番・宗山塁(1年・広陵)の連打でチャンスを作り、2死二、三塁から試合前の時点で打率.500の首位打者・陶山勇軌(4年・常総学院)のタイムリー内野安打で1点を返すと、さらに2番・村松開人(3年・静岡)が続いて同点。そして3番・丸山和郁(4年・前橋育英)が「ランナーを還すことだけを考えた」とセンター前へ弾き返して逆転。この回、5安打を集めた明大が3対2と試合をひっくり返した。

8回裏に一時逆転となるセンター前タイムリーを放った明大の主将・丸山。試合後は「悔しいです」と言葉を絞り出した。

 しかし、試合はまだ終わらない。9回表、明大は前の回で代打を送られたエース・竹田に代わり、2番手・渡部翔太郎(3年・千葉黎明)がマウンドへ。ヒットと四球で走者を許しながらも2死までこぎつけ、勝利まで“あと一人”となった。ここで打席には、この日7番に打順を下げた立大の主将・太田英毅(4年・智辯学園)が入った。
「託した。なんとかしてくれる。代打を送るという気持ちはなかった」と立大・溝口智成監督。「今まで勝負所で打てなかった悔しさがあった。技術云々ではなく、ボールに食らい付いた」と太田。2ストライクとなり、“あと1球”まで追い詰められたが、4球目、142キロの外角ストレートにバットを合わせ、ライトオーバーのタイムリー2塁打。一気に2者が生還し、逆転に成功。「徳俵に足がかかっていた」(立大・溝口監督)という状態から、執念を見せた主将の一打で再逆転に成功。9回裏は4番手の野口裕斗(2年・東海大相模)が3人で締め、優勝に望みを繋ぐ大きな勝利を手にした。

立大が9回表、2死1、2塁から主将・太田のタイムリー2塁打で2者が生還した。

 これで立大は、明日の2回戦で引き分け以上の場合、他力ながら逆転優勝の可能性が残る。「優勝はまだ諦めていない。最後まで負けられない試合ができるというのは自分が入学してからは初めて。明日も一戦必勝。先を見ずに目の前のプレーに集中して1プレー1プレーを大事にして行きたい」と太田主将。気持ちを引き締め直し、もう一度チーム一丸となって明日の今季最終戦に挑む。

 一方、敗れた明大は優勝の可能性が消滅。先発の竹田が8回4安打2失点(自責1)。エースの力投に打線も応えて一度は逆転したが、最後の最後で勝利がこぼれ落ちた。

■立教大vs明治大1回戦
立大 100 010 002=4
明大 000 000 030=3
【立】池田陽、栗尾、○宮、野口-黒岩、片山
【明】竹田、●渡部翔、髙橋-横山、蓑尾

◎立教大・溝口智成監督
「先週、慶應に2連敗して優勝がかなり厳しくなりましたが、数パーセントでも可能性があるならばと、そのためにとにかく初戦を、何としても取るんだという気持値を持たせて試合に入った。(9回の逆転劇は)あそこから逆転する展開というのは、なかなか起きない。ここまでなかなかいいところで打てていなかったが、キャプテンの太田がよく打ってくれました。(太田は)悔しい気持ち、責任感、執念が滲み出始めている。」

◎立教大・太田英毅(4年・智辯学園)
「今まで勝負所で打てなかった悔しさがあった。今日は7番という打順でしたけど、いつもと役割は変わらないという思いで試合に臨んだ。(8回裏に)相手キャプテンの丸山が勝ち越し打を打って、同じキャプテンとして悔しい気持ちがあった。負けていられないという気持ちだった。技術云々ではなく、ボールに食らい付いた。やっとチームの役に立てた」

◎立教大・池田陽佑(2年・智辯和歌山)
「宮さんと栗尾さんが後ろにいるので、そこへどうやって繋ぐかを意識してマウンドに上がった。慶應戦が終わってから、なぜ打たれたのかを話し合って、しっかりと反省した結果が今日のピッチングにつながった。序盤は荒れていましたけど、徐々にタイミングが合ってきて、3回ぐらいから自分のピッチングができた」

◎明治大・田中武宏監督
「試合開始が1時間早くて…、うちは、朝は強いはずなんですけど、序盤は野手が寝ていましたね。(8回の逆転撃破)丸山がよく打ってくれた。勝たせてあげられなかったのは申し訳なかった。明日、全力でやることしか今は考えていないです」

◎明治大・竹田祐(4年・履正社)
「試合の入りが悪くて、野手いいリズムを持って来れなかった。そこが課題。そこを潰せるようにしたい。今日は勝つしかなかったので、みんなにいいリズムをと思っていたんですけど、なかなかできなかった。悔しいです」