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法大が“お目覚め”の逆転勝ち!山下輝が8回1失点の力投&齊藤大が3ラン含む4打点の活躍!【5/2 春季東京六大学野球 早稲田大学vs法政大学】

 5月2日、東京六大学野球春季リーグの第4週2日目が行われ、第2試合では、法大が5対1で早大に逆転勝ちを収めた。

法大の先発・山下輝が序盤から気迫十分の投球。2回以降はゼロ行進を続けて8回1失点で待望の今季初勝利。自ら2本のヒットも放って勝利に貢献した。

 前日に引き続き無観客開催での一戦。前日完封勝利を収めた早大は今季2試合で0勝0敗、防御率2.08の西垣雅矢(4年・報徳学園)。対する法大は今季0勝2敗、防御率4.09の山下輝(4年・木更津総合)が先発。前日の「徳山vs三浦」同様に4年生投手同士の投げ合いで試合が始まった。

 先手を奪ったのは早大。1回表に先頭打者の鈴木萌(4年・作新学院)がヒットと盗塁で二塁へ進むと、続く2番・中川卓(3年・大阪桐蔭)の捕手前への送りバントが相手エラーを誘って1点を先制。

 対する法大は3回裏、9番の山下の内野安打と1番・諸橋駿(4年・中京大中京)のライト前ヒットなどで1死一、三塁として、3番・齊藤大輝(3年・横浜)が犠牲フライを放って同点。序盤3回を1対1で終えた。

 中盤は投手戦。4回裏の攻撃開始前に激しい通り雨のために約12分間の中断があった後も両先発が一歩も譲らず、法大・山下は尻上がりに調子を上げながら6回まで2安打2四球1失点で計7三振を奪う好投。早大・西垣も徐々に安定感を高めて6回まで6安打2四球で1失点。5回裏1死一塁から法大・齊藤大の右中間への大飛球を早大の右翼手・蛭間拓哉(3年・浦和学院)が好捕する場面もあり、1対1のまま終盤戦に突入した。

 迎えた7回裏だった。法大が7番・大柿廉太郎(3年・健大高崎)のヒットから犠打で1死二塁、9番・山下もヒットで繋いで一、三塁とすると、1番・諸橋が三遊間を破るレフト前タイムリーを放って勝ち越しに成功。さらに2死二、三塁から、「今日はどうしても山下さんに勝ち星を付けたいという思いで打席に入りました」という3番・齊藤大が、「完璧でした」とバックスクリーン横へ飛び込む今季2号の3ラン。今季ここまでの全試合2得点以下という得点力不足が続いた中、野手ミーティングで「投手陣が頑張っている!どうにかして5点取ろう!」、「全員バットを1握り短く持とう!」と決めていた法大打線が、この回5安打を集めて一挙4点を奪い、5対1とリードを広げた。

法大の3番・齊藤大が7回裏に試合を決める3ランを放つ。齊藤はこの日4打点の活躍を見せた。

 最終的に、法大先発の山下輝は、8回112球を投げて5安打2四球1失点(自責0)、自己最多の10奪三振をマークしての今季初勝利。打線も計12安打で5得点。加藤監督は「山下が今季1番良かったというぐらいのピッチングをしてくれた。今日は先発投手が試合を作って、打線が5点以上取って、最後は古屋敷が抑える。うちの理想の展開でした」と今季2勝目(3敗1分)の試合を振り返った。

 一方、敗れた早大は、先発の西垣が7回に崩れて6回1/3を9安打4失点で降板。打線も初回に幸先よく1点を先制したが、計6安打で2回以降はゼロ行進。7回の守備では、今季も好調を維持していた主砲の蛭間がフェンス激突の際に左ひざを痛めるアクシデント。担架でベンチ裏に運ばれた後、救急車で搬送されて「心配です。左ひざを内側に捻った」と小宮山悟監督。今カード1勝1敗で、今季通算でも2勝3敗1分で、再び法大と勝点2.5で並ぶことになった。

早大の先発・西垣は、序盤から走者を背負いながらも6回まで1失点に抑える粘りのピッチングを披露していたが…。

■早稲田大vs法政大2回戦
早大 100 000 000=1
法大 001 000 40X=5
【早】●西垣、森田直、山下-岩本
【法】○山下輝、古屋敷-大柿、舟生
本塁打:法大・齊藤大《7回3ラン》

◎法政大・加藤重雄監督
「山下がこれまでも良かったんですが、今季1番良かったというぐらいのピッチングをしてくれた。うちの投手陣には優秀な人材が揃っていますけど。その中でも三浦との左右の二枚看板。もう少し楽に勝てると思っていたが、今日は待望の今季初勝利。打つ方でも二刀流で頑張ってくれた。(チーム全体として)ヒットは出ていたのでどこかで繋がるだろうと思っていた。ホームランというのは大きいですね。今日はうちの理想の展開。こういう試合ができれば今後も期待できる」

◎法政大・山下輝(4年・木更津総合)
「前の2試合よりも今日はいいピッチングができた。初回に点を取られましたけど、それ以降はランナーを出してからも粘れたのが良かった。今日は気持ちを全面に出して投げた。真っ直ぐとカットボールが良かった。(2安打の)バッティングはたまたまですね。ここから全勝して秋に繋げたい」

◎法政大・齊藤大輝(3年・横浜)
「今日はどうしても山下さんに勝ち星を付けたいという思いで打席に入りました。2対1だったので、あと1点あれば山下さんが抑えてくれると、後ろに繋げようと思っていました。インコース真っ直ぐにはっていた。完璧でした」

◎早稲田大・小宮山悟監督
「(負傷交代した)蛭間が心配ですね。(外野)フェンスにぶつかって着地した時に左ひざを内側に捻った。救急車で運ばれたところまでしか見てないけど、ひょっとしたら靭帯が切れているかも知れない。離脱は仕方ないですね。(試合は)西垣に申し訳ないことをした。7回表の攻撃で代打を送ると伝えていたのが、併殺で打席が回って来なかった。そこで集中力が切れてしまったかも知れない。序盤から丁寧に投げていた。自分の調子が良くない中、味方の守備に助けられた部分はあったにせよ、あそこまで投げられたことは良かった。評価したい。(打線は)良い形で1本出れば勢い付いて良い流れになるんですけど、その1本がなかなか出ない。これから何とかしないといけない」