- プロ野球
2020.11.30 12:00
【今週のJERA セ・リーグ】 「進化証明の完璧リリーフ」「抜擢に応える先頭打者2塁打」「自己&シリーズ最速164キロ」日本シリーズ・巨人の週間トップ3は誰だ!?(11/23〜11/29)
レギュラーシーズン全日程が終了し、先週は日本シリーズの第3戦、第4戦が行われた。結果的には1つの白星も挙げることなく屈辱の4連敗となった巨人だが、その中でも奮闘し、意地を見せた選手<週間トップ3>を選びたい。
<先週の成績>
巨人:0勝2敗
<1位>
戸郷翔征(巨人)
【週間成績】登板1試合 2回1/3 打者8人、被安打0、与四球1、奪三振4、無失点
今季先発ローテとして9勝を挙げながら日本シリーズではリリーフに回った20歳右腕。第1戦で1イニングを無失点に抑えた後、第2戦ではグラシアルに2ランを被弾したが、先週25日の第4戦では3番手で3回途中からマウンドに上って2回1/3イニングを投げて無安打の好投を演じた。
その内容も素晴らしかった。3回2死から最初の打者・デスパイネには四球を与えたが、続く牧原大成を153キロのストレートでファーストゴロに仕留めると、続くイニングでは松田宣浩、甲斐拓也、周東佑京を三者連続三振。5回も中村晃をレフトフライ、柳田悠岐を三球三振、グラシアルをサードゴロに打ち取って2イニング連続の三者凡退。昨年の日本シリーズでは第3戦にリリーフ登板して1イニング持たずに4失点で降板したが、今年は自らの進化を証明するピッチングで、チームは4連敗も個人としては「去年より自分自身の成長した姿を見せられたのかなと思います」と手応え。敢闘賞受賞も納得の奮闘ぶりだった。
<2位>
若林晃弘(巨人)
【週間成績】出場2試合、5打数2安打1得点
投手陣で奮闘した若手が戸郷ならば、野手陣では若林だ。大学、社会人を経て2017年ドラフト6位で入団したプロ3年目。今シリーズでは、第1戦に代打で出場して四球を選んだ後、24日の第3戦も代打で出場したが、空振り三振。それでも後がなくなった翌25日の第4戦に「1番・ライト」でスタメンに抜擢されると、初回の第1打席でソフトバンク先発・和田毅に2球で追い込まれながらも、ファウル、ボール、ファウルで粘った後の6球目の外角変化球を弾き返して右中間を破る2塁打。続く2番・坂本勇人のタイムリーで先制の本塁を踏んだ。
チームは直後に逆転を許したが、若林自身は5回の第3打席でもヒットを放って奮闘。レギュラーシーズンで投手と捕手以外の7ポジションで計76試合に出場した万能スイッチヒッターは、昨年の日本シリーズでは5打数無安打だったが、今年は確かな成長の跡を見せた。
<3位>
ビエイラ(巨人)
【週間成績】登板1試合、1回2/3 打者6人、被安打0、与四球1、奪三振2、無失点
ブラジル出身の剛腕リリーバーが、日本シリーズの舞台で自慢のストレートを投じてスタンドをどよめかせた。
第1戦で1イニングを被安打1の無失点で抑えた後、第2戦、第3戦では出番がなかったが、25日の第4戦に6回から4番手として登板。手始めに栗原陵矢を159キロで空振り三振に仕留めると、続くデスパイネには初球161キロからサードゴロ。そして牧原大成に対して、追い込んでからの3球目が164キロを計測。さらに5球目にも2度目の164キロのストレートを投じて空振り三振に仕留めた。
来日1年目のビエイラ。従来の自己最速は163キロだったが、1キロ更新。これまで日本球界では大谷翔平(現エンゼルス)が日本ハム時代にマークした165キロで、このビエイラの164キロは日本シリーズ最速記録。スタンドを沸かせるとともに、劣勢のチームを鼓舞する気迫のこもったストレートだった。