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首位・慶大が4対1で法大に逆転勝ち!粘り強い全員野球で無敗をキープ!【10/24 秋季東京六大学野球 慶應義塾大学vs法政大学】

 東京六大学野球秋季リーグ第6週の1回戦が10月24日に行われ、第1試合では慶大が4対1で法大に逆転勝ち。開幕から7試合で無敗(6勝1分け)&首位をキープした。

ドラフト1位候補に挙げられる慶大の先発・木澤は5回78球で5安打1失点。余力を残し、「明日も投げるつもり」と宣言した

 今季6試合を終えて5勝1分けの勝点5.5で首位に立つ慶大と2勝3敗1分けで勝点2.5の4位・法大の対戦。26日に開催されるNPBドラフト会議を目前に控え、慶大・木澤尚文(4年・慶應)、法大・鈴木昭汰(4年・常総学院)のプロ注目の投手同士の投げ合いで試合が始まると、序盤は両者一歩も譲らず。木澤は毎回走者を背負いながらも連打を許さず。鈴木は3回を1安打無失点に抑える立ち上がりを見せた。

 先手を奪ったのは法大だった。4回裏、1死から6番・佐藤勇基(4年・中京大中京)が2打席連続の2塁打で出塁すると、2死後に、その直前の守備でファインプレーを見せて2死2、3塁のピンチを救った8番・高田桐利(2年・広陵)がレフト前へ先制タイムリー。前回第4週の明大戦で2試合連続完封負けを喫した法大打線が、24イニングぶりの得点を奪って試合をリードした。

 しかし、「ロースコアの展開になるのは分かっていた。5回で1点ビハインドは想定内。全員で相手ピッチャーを崩していく粘り強い戦いができていた」と慶大の主将・瀬戸西純(4年・慶應)。6回表に2四球1失策のノーヒットで同点に追いつくと、続く7回表に3番・廣瀬隆(1年・慶應)、4番・正木智也(3年・慶應)の連打に5番・福井章吾(3年・大阪桐蔭)がバントヒットで繋いで無死満塁として、6番・下山悠介(2年・慶應)がレフトへ勝ち越しの犠牲フライ。6回以降、投手陣が細かい継投でピンチを脱すると、9回表に8番・瀬戸西が「一人一人が粘って、次のバッターにつなぐ攻撃ができていた中で、なんとか最後に1本打てて良かった」と右中間を破るタイムリー3塁打で貴重な追加点。無敗をキープし、勝点を6.5とした。

9回表、慶大の瀬戸西主将が2点タイムリー3塁打を放ち、塁上で渾身のガッツポーズ。全員野球での逆転勝利だった

■慶應義塾大vs法政大
慶大 000 001 102=4
法大 000 100 000=1
【慶】木澤、渡部淳、○長谷川、長谷部、関根、生井-福井
【法】鈴木、●山下輝、落合、水澤-大柿、渡邉

◎慶應義塾大・堀井哲也監督
「中盤まで苦しい展開でしたけど、ピッチャーも打線もよく粘ってくれて、粘り勝ちができた。(木澤の交代は)1点ビハインドで打順が周って来たという理由だけ。投げる体力、力はあったし、内容も良かった。落ち着いて投げていた。ヒットでランナーは背負っていたが、要所を締めていた。3点ぐらいの勝負だと思っていたので、木澤が1点に抑えたことは非常に良かった。(相手の)鈴木君も素晴らしいピッチャー。なかなか点を取らせてもらえなかったが、バッターが積極的に振る中でよく粘って、結果的に球数を投げさせることができた。四球も多く、よく見極めていたと思う。(9回の瀬戸西は)ナイスバッティング!見事です。お釣りが出ます」

◎慶應義塾大・木澤尚文(4年・慶應)
「調子はそんなに悪くはなかった。長打は打たれましたけど、四球を出さなかったのが良かった。本当はもう少し投げてリリーフ陣を助けたかったが、リリーフ陣が頑張ってくれたし、今日は投手陣全員、チーム全体で勝てたと思う。ランナーを出してからの粘りというのを夏以降の課題にしていたので、そこの収穫は感じます。でも、そもそもランナーを出しているということも課題。まだまだするべきことはある。明日も投げるつもりで準備したい」

◎慶應義塾大・瀬戸西純(4年・慶應)
「チーム全員に、粘り強く、しつこくやろうと言ってきて、この秋のリーグ戦になってしぶとさが出てきている。(9回のタイムリーの場面は)ここまでのリーグ戦は3年生以下に頼りっぱなしだったので、なんとかしたいと思って打席に入った。なんとか1本打てて良かった。リーグ戦で難しいのはここからだということを、この4年間で痛いほど感じているので、残り試合を1戦1戦、1球1球を大切にやっていきたい」

◎法政大・青木久典監督
「野手陣が足を引っ張ってしまった。鈴木の状態はすごく良かったが、守りに足を引っ張られた。(2番手の)山下が復調していたし、山下が2イニングぐらい投げて、最後に高田をつぎ込もうかなと思っていたが、うまくいかなかった。攻撃でも送るところを送れなかったりして自滅してしまった。そこの部分をしっかりとやっておけば、十分に勝機はあった。(春秋連覇の可能性が消滅し)残念のひと言。やっぱりレベルが高いなと思います。夏は負けない野球ができたが、そこから1か月、どこかに隙、油断があった。突き詰められなかった。それがこういう結果になったのかなと思います」

◎法政大・鈴木昭汰(4年・常総学院)
「調子自体は悪くなかった。先に点を与えないようにしっかりと投げようと思っていた。前回の明治戦では納得の行くピッチングができたなかったので、それを取り返したいという思いもあった。相手打線が粘り強かったですし、じっくり投げようと思ったことで球数は少し多かったかなと思います。ドラフトのことは頭にない。まずはしっかりとチームを勝利に導きたい」