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プロ野球

メーカー21社がタッグ! 野球人気回復に向けた「球活」始動


 野球やソフトボールのメーカーが21社集まり、「野球・ソフトボール活性化委員会」を設立。未来のための普及進行活動を「球活」の名で始める。1月16日、一般社団法人野球・ソフトボール活性化委員会が、大阪府吹田市で記者会見を行った。

◆ 26万人減少したプレー人口

 2020年東京オリンピック・パラリンピックの正式種目として、野球・ソフトボールが復帰したものの、野球人口は少子化の煽りも受け、2009年を境に小・中学、高校の硬式野球以外で軒並みプレー人口が減少している。競技人口別見ると、一般軟式が55万人から47万人、学童軟式が44万人が37万人、中体連軟式野球が30万人から18万人となっており、硬式を合わせると、152万人が126万人と26万人もの減少となっている。こうした背景によって、普段はライバル関係にあるメーカーが、今回のチームを結成することになった。

 同委員会の代表理事を務めるミズノ株式会社執行役員事業部長の久保田憲史氏は、少子化の他、選択肢の多様化やプレーする場所が少なくなったことなどにより、20-30代でキャッチボールもできない男性が増えたことを指摘。今後、小学生、中学生など、子どもへのアプローチに加え、学校の先生を含めた大人に野球に接する機会を設けるイベントを行う必要性があると話した。

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 アシックス、エスエスケイ、ゼット、ミズノ、ローリングスの5社でスタートした野球活性化会議が、2017年1月、21社が参加する「野球・ソフトボール活性化委員会」として再スタート。

◆ 業界初のメーカー協働の取り組み

 今回設立された野球・ソフトボール活性化委員会の大きな特徴は、野球関連メーカー21社が、それぞれの利益を超え、野球・ソフトボールの普及という大命題に向けて一歩を歩み出した点にある。ミズノの久保田氏も、「こうしたメーカーの連携は、スポーツ業界でもおそらく初めてのこと」と話す。

 初年度となる2017年は「Play Baseball, Play Life. 人生に野球の喜びを!」をスローガンに、まずは3つの施策をメインに行っていく。
【1】小学生を含む親子1万人を招待する野球場へ行こう!キャンペーンの実施
【2】球活専用WEBサイト(https://kyukatsu.jp)の開設
【3】球活オリジナル啓発商品の販売

 プロ野球のNPB(日本野球機構)とアマチュア組織を統括するBFJ(全日本野球協会)が昨年4月、日本野球協議会を立ち上げ、野球の普及・振興を行っていくことを発表したが、今回は野球メーカーが集まり、協働しながら野球の振興に打ち込むとのこと。2020年に向け、野球を再度活性化させていく取り組みに、これからも注目していきたい。

※参加企業
アシックスジャパン、アディダスジャパン、イソノ運動具店、イモト、エスエスケイ、久保田運動具店、ザナックス、三共スポーツ、シウラスポーツ用品、ゼット、ダイワマルエス、デサント、内外ゴム、ナガセケンコー、ハイゴールド、ヒロウン、フラッグ、ベンゼネラル、ミズノ、レワード、ローリングスジャパン(50音順)

文 = 森本茂樹(スポーツライター)